【超長文】人生最大の買い物、ICL (眼内コンタクトレンズ) 体験記のすべて
今回は、人生で最大の買い物の記録についてです。超長文です!
今回、買い物をしたのは眼内コンタクトレンズ、通称:ICL(Implantable Contact Lens)の手術です。
よく聞くレーシックは角膜を削って目を良くする方法、ICLは角膜は削らず、目の中にコンタクトを入れて目を良くする方法のことです。
詳しくは ICLとは|ICL研究会 にてチェックをしてください!
- なぜ体験記を書いているの?
- なぜICLを受けることにしたの?
- 事前検査でわかった「レーシックができない目の持ち主」
- 手術前の準備で“超”大事なこと
- 手術5日前に気をつけたこと
- 手術当日「サヨナラ、メガネちゃん」
- 恐怖と共に見た手術中の視界
- 手術直後とその日からやること
- 翌日の検査で出た驚異の視力
- 視力検査の「C」が驚くほど見える、1週間後
- 最後に、ICLをしてよかったこと・悪かったこと
- 追記:1年経っての感想
なぜ体験記を書いているの?
わたし自身が手術をするか迷ったときに体験記に救われたからです。
ただ、眼科が出している体験記が多かったり、体験記の1番気になる部分が課金対象になっていて、詳細までわからなかったり……。新しいことをするときに “わからないこと” って不安に繋がるため、わたしの体験はオープンにしようと思ったのです。
なぜICLを受けることにしたの?
昔から視力がとても悪く、小学校からメガネを、中学生からコンタクトレンズを手放せない生活を送っていました。目が良いことや朝起きたときに視界がクリアに見えることに憧れがあり、レーシックには興味を持っていました。ただ、角膜を削るの……怖すぎるでしょ、近くに施術している人もいないし……と躊躇していました。
そんなある日、地震が起き、1人暮らしの家のベッドで目が覚め「あれ、メガネがない、何も見えない。まだ揺れてる……」そんな状態になったとき、いろんなことが頭を巡りました。
- もしこれが自分の家ではなく“なんとなく色と物体の有無がわかる視力”で行動できない場所だったら?
- 避難所に行かなければいけないほどの大きな災害だったら?
- 知っている人が近くにいるかもわからない、もっと言うと、近くに行かないと人間か判断できるかどうかも怪しい視力……
目が悪いせいでなにか大きな災害が起きたとき「死ぬかもしれない……」
「いや、死にたくない!これはわたしの人生にとってのリスクだ!潰そう!」そう思い、視力を良くする手術を受けようと決意しました。
事前検査でわかった「レーシックができない目の持ち主」
手術することを決めてから、レーシックやICL経験者を探してはヒアリングを何度か行い、信頼できるお医者さんを決め、いざ検査へ!
目の形を元に戻してから視力や眼圧・角膜の薄さなどを見るため、検査日の1週間前からメガネ生活になりました。メガネ苦手すぎ&レンズが分厚く、目が小さくなってしまうので、この1週間は耐えがたかった。
診察とともに検査結果を見ると、近視と乱視がかなりの度数にも関わらず、角膜が薄いという「レーシックができない目の持ち主」だったことがわかりました。
先ほどの経験者ヒアリングで、レーシック経験者からはたくさん話を聞くことが出来たのですが、ICLの方は見つからなかったので少しの不安は残りましたが、もうやると決めたこと。手術日を決め、予約を取りました。
ICLの場合は自分に合ったレンズを海外から取り寄せていただくため(特にわたしは乱視ありだったので通常より長い)、1ヶ月ほど先の予定で予約を取りました。
手術前の準備で“超”大事なこと
まずは、手術後に必要そうなものを想像して買いました。
手術後、アイコットンとメガネのくもり止めはとても重宝したのでおすすめです。保護メガネは手術後1週間は必ずつけるものなので、ケチらないで “普通のメガネっぽいもの” を買いましょう。あらかじめメガネ拭きでレンズを拭いておくことをすすめます!
シート類は手術後3日間、お風呂も洗顔も禁止なため買いました。元々汗をかかない体質なのでカラダ用は使いませんでしたが、あるだけで安心材料になりました。
また、わたしはこれに加えて、スノーボードに使えそうなゴーグルも謎に買いました。これは完全にいらなかったです。3回くらいつけて「違うな?」となりました。
そして、1番お伝えしたかった、“超”大事な準備は、手術後に車で迎えに来てくれる人を探すことです。超大事です。後ほど詳細書きます。
手術5日前に気をつけたこと
手術5日前から抗菌の目薬を時間通りに打ち始めます。また、3日前から苦手なメガネ生活でゆったりと過ごし、よく寝て、万全な健康状態を目指しました。
その他に、手術前5日間でやったことは ↓ です。
- 「手術後は、ハロー・グレア現象により、PCや携帯の光が眩しくて見えない」という記事を読んだので覚えておきたいことや聞きたい質問は全て紙に書き出す(久しぶりにペンを持ったので字が歪んでいたな……)
- 山やパーソナルトレーニングに行って、たくさん動いておく
- メガネとコンタクト生活をたのしむ
- きれいにしておいた方が感染症になりにくいかなと思い、家中の掃除
- 買い物にもいけないかと思い、ご飯の作り置き
これらは、ちょっと過保護だったかと思いつつも、自分のためにやっておいてよかったと思っています。
手術当日「サヨナラ、メガネちゃん」
午後に手術予定だったので、朝から仕事をして、お風呂に入ってお昼をガッツリ食べてから病院へ。また、帰ってきたときに倒れ込むように寝るためにほぼパジャマのような緩い格好で病院へ行きました。
この時はとにかく緊張が止まらなくてドキドキドキドキ……
病院についてからは目の状態を確認して、麻酔用の点眼薬を数分おきにしてもらい、だんだん目の前がぼわ〜っとして、iPhoneの文字が見えなくなります。手術直前にお手洗いへ行ったとき「このメガネともサヨナラだなぁ……」と思って写真を1枚パシャリ。
恐怖と共に見た手術中の視界
「加藤さん、どうぞ!」と呼ばれ、全ての荷物をロッカーに入れ、シャワーキャップをつけて手術室へ入ります。
この時点でメガネをかけていないので、もう誰が誰だかわかりません。「今日はよろしくお願いしますね」と言われても、わたしにはあなたがこの前診察してくれた先生なのか、誰なのかもうわからない……こわい……なんも見えない……と急にとてつもなく大きな恐怖を感じました。
ベッドに寝っ転がって麻酔を追加。目を開くようにテープで固定して、先生の「始めますね〜」の声で右目から手術開始。
こんな視界でした。ライトが明るすぎるのと自分の視力も悪く、何が何だかわからないけど色が見える。そんな感じ。レンズが目の中に入っていくのや、レンズを入れた瞬間も少しクッキリしたりと見え方が変わります。レンズを合わせている最中なのか、万華鏡みたいにクルクルと見えるものが変わり、とても綺麗な瞬間もありました。
痛みは手術前のまぶた裏の消毒で少しある程度。それ以外は麻酔をしていたので、“違和感” は感じたけれど、痛みはありませんでした。
ただ、いつ終わるのか分からなくて右目の手術はとても長く感じました。正直、しんどかったです。涙を吸うための吸引機(?)がジュージュー言っていて、それはそれは気になるし、目も閉じれないし眩しいし変な感じするし、寝れないし……みたいな。
「右目終わりましたよ!このまま続けても大丈夫ですか……?」
続ける以外の選択肢ない……と思い、左目へ。右目である程度の起こることが想像できたので「これは夢だ……現実世界ではない」「先生が頑張ってるのに、わたしが頑張って耐えないとかある?!」など言い聞かせて、ただただ時が経つのを待っていました。
長かったよ……本当に長かったよ〜〜〜〜!
目が悪く、時計を見れなかったので、どれくらいの時間が経ったかわかりませんでしたが、たぶん30分くらい。感覚的には1時間くらい。長い。
先生もわたしも、お疲れさま。先生、ありがとう。
手術直後とその日からやること
突然の頭痛に追われて、30分くらいソファで寝かせてもらいました。目の前の景色が明るすぎて目もあんまり開けられないし、なにより、頭が痛い。痛い〜〜〜〜!
少し頭痛がおさまったタイミングで眼圧をはかり、診察へ。特に問題はなく、異常な頭痛のために痛み止めと、今後の生活で使う目薬をもらって病院をあとにしました。
少し前に「手術後に車で迎えに来てくれる人が超大事」と言ったのはここで、迎えにきてくれる人を見た瞬間に安心して、涙しました。そして、外の世界が眩しすぎて目を開くと頭痛がひどくなるので車に乗って目を閉じていました。本当に感謝していますし、本当に大事です。
👁 手術当日の見え方
- 少し目の周りにモヤがかかっている
- 太陽の光は直視なんて絶対無理で、昼間の外には対応できない
- 家の電気もほぼつけられない
- 電子機器はもっての外!見れるわけがない
- (目がとても腫れていました)
家に帰ってご飯たっぷり食べて、爆睡しました。
この日から1ヶ月間は1日4回3種類の目薬をします。2ヶ月目から3ヶ月間は1種類の目薬をして終わりです。手術による傷は1ヶ月経つと表面が治り、半年で完治だそうです!
最初の3日間は忘れないために、チェックリストと目覚ましをかけていました。
翌日の検査で出た驚異の視力
起きた瞬間に「やば!コンタクトしたまま寝た!!!」と思って飛び起きたのですが、コンタクトだったときより見えるし、「あ、わたしICL手術したんだった」と思い出しました。てへ。
翌日の検査では、右目1.5、左目1.2になっていました!すごい!コンタクトでもここまでよく見えていなかったので「そりゃ目も頭も疲れるよね」と納得しました。
👁 手術翌日の見え方など
- モヤがなくなり、視界がクリアに見える
- 昼間に外に出るには明るすぎる、太陽って本当に眩しいのね……
- コンタクトを入れた部分の痛みを感じ始める😢
- PCや携帯電話の光はほぼ見れない(iPhoneでSlackの見たいチャンネルを数秒かけて集中して探したらもう目が疲れたな……閉じよ……というくらい見れない)
- 1.5m程先に置いたテレビをブルーライトカット設定にすると映画を1本見れた
- 基本的にはずっと寝ていた
- 頭痛はなくなる
視力検査の「C」が驚くほど見える、1週間後
3日目と1週間後に病院で検査したときも視力は両目1.5!久々の体験です。なにより、視力検査の「C」が驚くほど見える。下の方までスイスイ言えちゃうことが逆に違和感でした。
👁 1週間経った見え方など
- 目の痛みはほとんどなくなる
- 空を直視するのはなかなか眩しすぎるけど、昼間外に出ても平気になる
- 目の中をよーーーーく見てもコンタクトを見つけられないくらいに自然
- 白や明るすぎる電気、夜の車のライトを見ると光線のように丸い輪っかができる。いわゆる “ハロー・グレア” 現象。しばらく経ったらなくなる現象らしいので今のこの見え方を楽しんでおこうという気持ち!笑
- 1週間経ったら保護メガネを取れるし、化粧もOKになるので人生に彩が戻ってくるよ〜〜〜〜
最後に、ICLをしてよかったこと・悪かったこと
まだ10日ほどしか手術から経過していませんが、わたしはICL手術をする決断をしてよかったと思っています。
- 朝起きてからコンタクトを探しに行くことが無くなった
- 世界はこんなに鮮やかでよく見えるんだと思った
- ドライアイがなくなった(目薬しすぎなだけ?)
- 「視力が良いままでいたい」という気持ちからPCに目を近づけすぎることがなくなった、と思う
- 遠くが本当によく見えるので、今後山頂からの景色がたのしみ
反対に悪かったこととしては今のところ2つ!
- まじで玉ねぎが染みる!号泣しながら刻んだ!
- まつげパーマになかなか行けない(最短で1ヶ月後。マツエクも同じ!)
と、こんな感じです。
この記事はICLをすすめるものではないし、わたし個人の感想だけれど、1体験者として1人でも多くの不安を払拭できたらうれしいです。
長文を読んでいただきありがとうございました!
なにかあれば下記まで〜
追記:1年経っての感想
あっという間に1年経って、ICLをやってよかったなとあたらめて思います。
下記だけちょっと不便な点ですが、それ以外はなんの不自由もなく目が良く見えてうれしく過ごしています!
- “ハロー・グレア” 現象は完全にはなくなっていない
- 夜のランニングなど、街灯がない道はとても見えにくくて歩いてる
- 朝起きた時に目が渇いていることが多い
この記事を読んで問い合わせしてくださり、実際に4人の方が ICL を受けた報告を聞いたので、記事書いてよかったなって本当に思っています。